ブリッジズのトランジション・プロセスは、「変化」ではなく、その変化に伴う人の内面の動きを捉えた理論です。
キャリアコンサルタント学科試験でも、トランジション理論として、シュロスバーグと並んで頻出の理論です。
本記事では、トランジションとチェンジの違いを整理したうえで、「終焉・中立圏・開始」の3段階を初心者にもわかりやすく解説します。
キャリアコンサルタント学科試験で問われるポイントや、事例問題での活用方法も押さえ、効率よく理解できます。
ブリッジズのトランジション・プロセスとは何か
トランジション(移行)とチェンジ(変化)の違い
ブリッジズは「変化(チェンジ)」と「移行(トランジション)」を明確に区別しています。
チェンジとは、昇進・異動・転職などの外的な出来事そのものを指します。
一方、トランジションとは、その変化に対して人が内面で経験する心理的なプロセスのことです。
例えば、異動という出来事(チェンジ)が起きても、人の心はすぐに切り替わるわけではありません。
過去への未練や不安を経て、徐々に新しい環境に適応していきます。
この「内面の変化の過程」こそがトランジションです。
キャリア支援では、出来事そのものではなく、その人がどのような心理状態にあるのかを捉えることが重要になります。
キャリアコンサルタント学科試験との関係
チェンジとトランジションの違いはブリッジズの理論を理解する上ではとても大事な概念です。
一方で、試験ではこれまであまり問われていない内容です。
難化傾向にあるキャリアコンサルタント試験では、今後出題が増える可能性もありますので、出来事(外的変化)と心理的プロセス(内的変化)を混同せず、しっかり理解しましょう。
トランジション・プロセスの3段階(終焉・中立圏・開始)

ブリッジズは、トランジションを次の3段階で説明しています。
| 段階 | 内容 | キーワード |
|---|---|---|
| 終焉 | これまでの状態を手放す段階 | 喪失・抵抗 |
| 中立圏 | 新旧の間で揺れる不安定な状態 | 混乱・模索 |
| 開始 | 新しい状態に適応し始める段階 | 再出発・意味づけ |
ブリッジズのトランジション理論の特徴は、”終わりから始まる”という点です。
ここは試験で何度も問われている頻出部分となりますので、しっかり理解しましょう。
第1段階:終焉(Endings)とは何か
終焉とは、これまでの役割や価値観、人間関係などを手放す段階です。
変化に直面したとき、人はまず「失うこと」に意識が向きます。
例えば、異動によって慣れ親しんだ職場を離れる場合、安心感や人間関係を失うことへの不安や抵抗が生じます。この段階では、変化を受け入れられない状態が自然に起こります。
第2段階:中立圏(Neutral Zone)とは何か
中立圏とは、古い状態を手放したものの、新しい状態にもまだ完全には適応していない不安定な期間です。
この段階では、混乱や不安、モチベーションの低下が見られる一方で、新しい可能性を模索する重要な時期でもあります。いわば「空白期間」であり、心理的には最も揺れやすい状態です。
一方で、この時期は新しい価値観や行動を試すチャンスでもあります。キャリア支援においては、不安の軽減と同時に、この期間の意味づけを支援することが重要です。
第3段階:開始(New Beginnings)とは何か
開始とは、新しい環境や役割に意味を見出し、前向きに適応していく段階です。
この段階では、自分の中で変化を受け入れ、「これからどうしていくか」という方向性が明確になっていきます。新たな目標や役割意識が形成され、行動も安定していきます。
ただし、この段階に至るためには、前段階での整理が十分に行われていることが前提となります。
他理論との違いで理解するブリッジズ理論
シュロスバーグの4Sシステムとの違い
シュロスバーグは、転機に対する対処資源として「4S(状況・自己・支援・戦略)」を提示しています。これは、外的な変化にどのように対処するかという枠組みです。
一方、ブリッジズは「人の内面に起こる心理的変化のプロセス」に焦点を当てています。
| 理論 | 焦点 | 内容 |
|---|---|---|
| ブリッジズ | 内面の変化 | 心理的プロセス(3段階) |
| シュロスバーグ | 外的対処 | 転機への対処資源(4S) |
トランジション理論として類似する両社ですが、しっかり違いを理解することで、長文問題にも対処できるでしょう。
※シュロスバーグの理論は以下で詳しく解説しています。
▶シュロスバーグの4Sシステムをわかりやすく解説|転機の理論・3つの転機・試験ポイントまとめ
キャリアコンサルタント試験の出題ポイント
3段階(終焉・中立圏・開始)の理解
最も基本的かつ重要な出題ポイントです。
各段階の名称と特徴が一致しているか、その順番はどうか、ということが問われます。
「終わりから始まる」「中立圏=不安定だが成長の可能性がある段階」という理解は重要です。
トランジションとチェンジの違いの整理
用語の定義問題として出題されることがあります。
「外的な出来事=チェンジ」「内的な心理プロセス=トランジション」と明確に区別して覚える必要があります。
まとめ
ブリッジズのトランジション・プロセスは、変化そのものではなく、その変化に伴う心理的な過程に焦点を当てた理論です。
「終焉 → 中立圏 → 開始」という3段階を正しく理解し、それぞれの特徴を押さえることが試験対策の基本となります。
特に、中立圏の不安定さと可能性の両面を理解しておくことで、事例問題への対応力が大きく向上します。
※キャリアコンサルタント試験では、多くの理論家が出題範囲となります。
試験に登場する理論家を体系的に整理した記事はこちらです。是非ご活用ください。
▶ キャリアコンサルタント理論家一覧(頻出度順・理解度チェックテスト付き)





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